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リボルバー【アルバム解説】

ビートルズのアルバム一覧

アルバムの基本情報

タイトル
(日本語)
リボルバー
タイトル
(英語)
Revolver
発売日【イギリス】1966年8月5日
【日本】1966年10月5日
最高順位【イギリス】1位(7週)

CD

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デジタル音源(CD)が初めて発売されたのは1987年。2009年には音質を改善した最初のリマスター盤がリリースされています。

2022年10月には新たに「スペシャル・エディション」がリリースされました。

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「スペシャル・エディション」は、最新のAI技術により元々の録音トラックから特定の楽器や歌声を抜き出して再配置する「デミックス」という手法でおこなわれ、曲全体の聞こえ方が最初のリミックス盤とは異なっています。

  • 2枚組 … アウトテイク(楽曲が完成する前の録音テイク)15曲を追加収録
  • 5枚組 … アウトテイク31曲、オリジナルのモノラル録音版、4曲入りEP、未発表写真や曲解説を含む豪華ブックレットを追加収録

など、いくつかのバリエーションでリリースされています。

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アルバム収録曲

アナログ盤・A面

アナログ盤・B面

アルバムの概要

映画がボツになり長期休暇を取得

アルバム『リボルバー』は、イギリスにおける通算7枚目の公式アルバムとして、1966年8月5日に発売されました。

本来であれば1966年に入ってすぐ、ビートルズとしては3本目となる主演映画の撮影が予定されていました。しかしこの映画は制作中止となります。

撮影がなくなったことでスケジュールがゴッソリと空いてしまったビートルズの面々は、デビューして以来最長となる3ヶ月の休暇を取得しました。

ジョンとリンゴは、それぞれの奥さん(当時)シンシアとモーリーンを連れ、4人でカリブ海の島国、トリニダード・トバゴに旅行。

ジョージは1月21日に恋人パディ・ボイドと結婚。ビートルズのメンバーではポールだけが式に出席(ジョンとリンゴは旅行中ですからね)。

その後、ジョージとパティは新婚旅行でカリブ海の東部にある珊瑚礁でできた島国・バルバドスでしばらく過ごします。

ポールは、当時交際していた女優のジェーン・アッシャーと二人でスイス東部の山岳リゾート地、クロスターズにスキー旅行。メンバーみんなが愛する人とのバカンスを楽しみました。

コンサート活動の終了とレコーディング活動の重視

この休暇中に新曲の構想を温めていたメンバーたちは、そのアイデアをレコーディング期間にどんどん飛躍させ、ライヴでは再現できない実験的な曲作りに没頭していきます。

レコーディング終了後、ビートルズは西ドイツ、日本、フィリピンをツアーで巡り、8月12日からはアメリカでの長期ツアーを敢行。

日本ではホテルに監禁同然で自由を奪われ、フィリピンではイメルダ・マルコス(=当時の大統領夫人)の煽動により暴徒化した民衆に襲撃され、アメリカではジョンのキリスト教発言を受けてビートルズの排斥騒動が発生。

様々なトラブルに見舞われたビートルズは1966年8月29日、アメリカ・カリフォルニア州サンフランシスコのキャンドルスティック・パークというスタジアムで開催されたライヴを最後に、コンサート活動を終了させました。

それまでも「観客は絶叫するだけで自分たちの音楽を聴いていない」「自分たちの演奏も聞こえず、技術がどんどん低下している」と、メンバーたちはコンサート活動に不満を抱えていました。

それに加え、新しいレコーディング技術を追求する楽しさが勝り始めた時期と重なり、ビートルズの優先度はライヴよりもレコーディングが高くなったのです。

収録曲の内訳、レコーディング期間

休暇でリフレッシュ後にレコーディング開始

『リボルバー』の収録曲は全14曲。すべてオリジナル曲です。

収録曲の内訳は、ジョンの作品が5曲、ポールの作品が5曲、ジョンとポールの共作が1曲、ジョージの作品が3曲。初めてジョージの曲が3曲収録され、パンチの効いた「タックスマン」はアルバム1曲目に採用されました。

長い休暇を終えてロンドンに戻ったジョンとポールが1966年3月24日にミーティングをおこなって方針を確認。

レコーディングは4月6日から開始し、6月6日に終了しています(レコーディング期間は2ヶ月)。スタッフによる編集作業は6月22日までおこなわれました。

初めてADTというレコーディング技術を使用

それまで試したことのなかったレコーディング技法や新しい楽器を数多く採用し、『リボルバー』というアルバムはビートルズが「ライヴ・バンド」から「レコーディング・バンド」へと変貌する決定的な作品となりました。

ビートルズのために開発された「アーティフィシャル・ダブル・トラッキング(Artificial Double Tracking = ADT)」というレコーディング技術が、この作品で初めて使われています。

それまでのダブル・トラッキング手法は、曲の同じ箇所を同じ人が2回歌うことで音の厚みを増やすというものでした。

この手法のデメリットは、同じ歌い方で2回レコーディングしなければならず、歌い方を変えたり音程がズレてしまうとキレイに聞こえないという点です。特にジョンはダブル・トラッキングを苦手としていました。

新たに開発されたADTという技術は、1回目の歌をいったん別のレコーダーにコピーして、原音よりも微妙に遅らせて再生し、もとのレコーダーにダビングして機械的なダブル・トラッキングをおこなうというもの。

この方法だと2回歌う必要がなく、1回の歌唱で歌い方もフレーズもほぼ同じダブル・トラッキングが実現できます。またヴォーカルだけでなく楽器にも適用できたため、レコーディングの質が飛躍的に向上しました。

ジェフ・エメリックがチーフ・エンジニアに昇格

それまでアシスタント・エンジニアとしてビートルズのレコーディングに携わっていたジェフ・エメリックが、『リボルバー』からチーフ・エンジニアに昇格し、プロデューサーのジョージ・マーティンを補佐することになりました。

このとき、ジェフ・エメリックは弱冠19歳。『リボルバー』以降のビートルズの音作りに様々なアイデアと技術で応え、多大なる貢献をしていくことになります。

アルバムジャケットについて

ビートルズ リボルバー

クラウス・フォアマンがデザインを担当

それまで5作連続でアルバムジャケットの写真撮影を担当していたロバート・フリーマンですが、『リボルバー』のために撮影した写真はビートルズのメンバーが気に入らず、不採用となってしまいます。

ビートルズのメンバーたちは、ドイツ時代の旧友だったクラウス・フォアマンにアルバムデザインを依頼。

クラウスは4人の似顔絵を描き、髪の毛などの部分にはフリーマンが過去撮影した写真を切り貼りしていきました。

ビートルズが新作の楽曲で目指した「従来の常識的な音楽から逸脱する」というテーマをジャケットデザインでも表現したことで、このデザインは正式に採用されます。

『リボルバー』のアルバムジャケットは、1967年のグラミー賞で「最優秀レコーディング・パッケージ賞」を受賞しました。

チャートの動き・順位変動

アーティスト名/
アルバム名(英語)
1966年
6月
7月8月9月10月11月
The Beatles /
Revolver
1111111222222356
The Beatles /
Rubber Soul
3589
The Rolling Stones /
Aftermath
1112222333
Original Soundtrack /
Sound Of Music
22211111112222222111111111
The Beach Boys /
Pet Sounds
42223334334446333468

モンスターアルバム、またしても立ちふさがる

前作『ラバー・ソウル』から1位を奪ったローリング・ストーンズの『 アフターマス 』。

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これに代わり、ロングヒットを続けていた映画『サウンド・オブ・ミュージック』のサントラ盤が1966年6月第4週にまたまた1位を奪取してしまいます。

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とんでもない強さを見せていた『サウンド・オブ・ミュージック』ですが、『リボルバー』は8月第2週にチャート初登場1位を獲得。そのまま7週連続で1位を続けます。

その間、ずっとチャート2位で追走していた『サウンド・オブ・ミュージック』が10月第1週に再びチャート1位を奪還しました。

ビーチ・ボーイズ「ペット・サウンズ」の衝撃

この時期の注目は、1961年に結成されたアメリカのバンド、ザ・ビーチ・ボーイズが1966年にリリースした『 ペット・サウンズ 』というアルバム。イギリスのアルバムチャートで最高2位まで上昇しました。

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『ペット・サウンズ』は、ビートルズの前作『ラバー・ソウル』に影響を受けたビーチ・ボーイズのブライアン・ウィルソンが全曲を書き上げた作品で、現在でもビーチ・ボーイズの最高傑作だと評価する人が多い名盤です。

この『ペット・サウンズ』を聴いたビートルズ(特にポール)は大いに刺激を受け、そして生み出したのが次作『サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド』だと言われています。

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