アルバムの基本情報
タイトル (日本語) | ウィズ・ザ・ビートルズ |
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タイトル (英語) | With The Beatles |
発売日 | 【イギリス】1963年11月22日 |
最高順位 | 【イギリス】1位(21週) |
CD
デジタル音源(CD)が初めて発売されたのは1987年。2009年には音質を改善したリマスター盤がリリースされています。
Apple Music
アルバム収録曲
アナログ盤・A面
- イット・ウォント・ビー・ロング It Won't Be Long
- オール・アイヴ・ゴット・トゥ・ドゥ All I've Got To Do
- オール・マイ・ラヴィング All My Loving
- ドント・バザー・ミー Don't Bother Me
- リトル・チャイルド Little Child
- ティル・ゼア・ウォズ・ユー Till There Was You
- プリーズ・ミスター・ポストマン Please Mister Postman
アナログ盤・B面
- ロール・オーバー・ベートーヴェン Roll Over Beethoven
- ホールド・ミー・タイト Hold Me Tight
- ユー・リアリー・ゴッタ・ホールド・オン・ミー You Really Got A Hold On Me
- アイ・ウォナ・ビー・ユア・マン I Wanna Be Your Man
- デヴィル・イン・ハー・ハート Devil In Her Heart
- ナット・ア・セカンド・タイム Not A Second Time
- マネー Money (That's What I Want)
アルバムの概要
アルバム『ウィズ・ザ・ビートルズ』は、イギリスにおける通算2枚目の公式アルバムとして、1963年11月22日に発売されました。
この頃は1年に2枚のアルバムをリリースするアーティストが多く、ビートルズも「1年にアルバムを2枚リリースする」という契約を結んでいました。
しかもクリスマスシーズンの特需を狙うため、ビートルズはコンサートツアーで多忙な中、曲を作り、レコーディングに打ち込んでいます。
収録曲の内訳、レコーディング期間
収録曲は全14曲。オリジナル曲が8曲で、カバー曲が6曲という構成。
オリジナル曲の内訳は、ジョンが3曲、ポールが2曲、ジョン&ポールの共作が2曲、そしてジョージが1曲。初めてジョージのオリジナル作品が収録された記念すべきアルバムでもあります。
アルバムの発売と前後して、3枚のシングルが発売されました。
- 「フロム・ミー・トゥ・ユー」(1963年4月11日発売)
- 「シー・ラヴズ・ユー」(1963年8月23日発売)
- 「抱きしめたい」(1963年11月29日発売)
しかし、3つのシングル曲はいずれも『ウィズ・ザ・ビートルズ』に収録されていません。「今回はシングル曲をアルバムに入れない」と意図して制作されたようです。
レコーディング時期は1963年7月18日に開始され、最終日の10月17日まで約3ヶ月をかけています。スタッフたちの編集作業は10月30日で完了しました。
前作のアルバム『プリーズ・プリーズ・ミー』がわずか1日でレコーディングされたことを思えば、今作はじっくりとレコーディングに臨めたのではないでしょうか。
アルバムジャケットについて
ロバート・フリーマンが担当
アルバムジャケットの写真を撮影したのは、写真家のロバート・フリーマン。
ビートルズのマネージャー、ブライアン・エプスタインがフリーマンの写真に感銘を受け、撮影を依頼しています。
以降、フリーマンはビートルズのオフィシャル・カメラマンとなり、ビートルズに関する数多くの写真を世に残すこととなります。
旧友アストリッドによるハーフ・シャドウ
暗闇にいるメンバー4人に対し、片側からのみ照明を当てて撮影したジャケット写真は「ハーフ・シャドウ」という撮影手法で呼ばれ、以降のアーティスト達がアルバムジャケットで真似をするなど大きな影響を与えました。
この「ハーフ・シャドウ」のアイデアのベースは、ビートルズがドイツで演奏修行をしていた頃の旧友であり写真家、アストリッド・キルヒャーが以前撮影していた写真。
アストリッドが似た構図で撮影していた以前の写真をメンバーがフリーマンに見せ、「こんな風に撮影して欲しい」とリクエストしたのだそうです。
チャートの動き・順位変動
アーティスト名/ アルバム名(英語) | 1963年 11月 | 12月 | 1964年 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | ||||||||||||||||||||||||
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The Beatles / With The Beatles | 2 | 1 | 1 | 1 | 1 | 1 | 1 | 1 | 1 | 1 | 1 | 1 | 1 | 1 | 1 | 1 | 1 | 1 | 1 | 1 | 1 | 1 | 2 | 2 | 2 | 2 | 2 | ||||
The Beatles / Please Please Me | 1 | 1 | 1 | 1 | 1 | 2 | 2 | 2 | 2 | 2 | 2 | 2 | 2 | 2 | 2 | 2 | 2 | 2 | 2 | 2 | 2 | 3 | 2 | 2 | 3 | 4 | 6 | 5 | 6 | 7 | 8 |
Original Soundtrack / West Side Story | 9 | 9 | 8 | 4 | 3 | 4 | 5 | 5 | 4 | 4 | 4 | 3 | 4 | 3 | 3 | 3 | 4 | 2 | 4 | 3 | 2 | 3 | 3 | 3 | 3 | 5 | 4 | ||||
The Hollies / Stay With The Hollies | 9 | 7 | 4 | 3 | 4 | 3 | 4 | 4 | 2 | 5 | 6 | 5 | 8 | 7 | |||||||||||||||||
The Rolling Stones / The Rolling Stones | 7 | 1 | 1 | 1 | 1 | 1 |
2作トータルで51週連続1位
アルバム『ウィズ・ザ・ビートルズ』は1963年11月第5週に2位でチャート初登場。この時はまだビートルズのデビューアルバム『プリーズ・プリーズ・ミー』が1位でした。
翌12月の第1週に『ウィズ・ザ・ビートルズ』がチャート1位を獲得。『プリーズ・プリーズ・ミー』は2位に陥落しますが、その後もしばらくは2位をキープし、1位と2位をビートルズ独占という状態が続きます。
『ウィズ・ザ・ビートルズ』は21週連続でチャート1位を獲得し、ビートルズは前作『プリーズ・プリーズ・ミー』の30週連続と合わせ、51週連続でチャート1位となりました。
ローリング・ストーンズのデビューアルバムが登場
この期間、ビートルズ以外でチャート2位まで上がった作品は2つ。
1つは、1961年に劇場公開されて大ヒットし、アカデミー賞でノミネートされた11部門のうち10部門を受賞した映画『ウエスト・サイド物語』のサウンドトラック盤。
『ウエスト・サイド物語』はビートルズに1位は阻まれたものの、2位が2週あるなど長期間にわたってチャートのトップ10に残り続ける大ヒットとなりました。
この映画は2021年に『ウエスト・サイド・ストーリー』というタイトルでリメイクされています。
もう1つは、1962年にイギリスで結成されたホリーズというバンドのデビューアルバム『ステイ・ウィズ・ザ・ホリーズ』。
『ステイ・ウィズ・ザ・ホリーズ』は4月第4週に2位まで上がっています。
51週続いたビートルズのチャート1位を阻止し、代わって1位となったのは、1962年にイギリスでデビューしたローリング・ストーンズの『ザ・ローリング・ストーンズ』。これが彼らのデビューアルバムでした。
『ウィズ・ザ・ビートルズ』から1位を奪った『ザ・ローリング・ストーンズ』はその後、12週連続1位という大ヒットを達成しました。
イギリスの2大巨頭ともいうべきバンドがいよいよライバル関係となり、チャートを席巻するようになります。