アルバムの基本情報
タイトル (日本語) | イエロー・サブマリン |
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タイトル (英語) | Yellow Submarine |
発売日 | 【イギリス】1969年1月17日 【アメリカ】1969年1月13日 【日本】1969年3月21日 |
最高順位 | 【イギリス】3位 【アメリカ】2位 |
CD
デジタル音源(CD)が初めて発売されたのは1987年。2009年には音質を改善したリマスター盤がリリースされています。
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アルバム収録曲
アナログ盤・A面
- イエロー・サブマリン Yellow Submarine
- オンリー・ア・ノーザン・ソング Only A Northern Song
- オール・トゥゲザー・ナウ All Together Now
- ヘイ・ブルドッグ Hey Bulldog
- イッツ・オール・トゥ・マッチ It's All Too Much
- 愛こそはすべて(オール・ユー・ニード・イズ・ラヴ) All You Need Is Love
アナログ盤・B面
- ペパーランド Pepperland
- シー・オブ・タイム Sea Of Time
- シー・オブ・ホールズ Sea Of Holes
- シー・オブ・モンスターズ Sea Of Monsters
- マーチ・オブ・ミーニーズ March Of The Meanies
- ペパーランド・レイド・ウエイスト Pepperland Laid Waste
- イエロー・サブマリン・イン・ペパーランド Yellow Submarine In Pepperland
アルバムの概要
アニメ映画のサウンドトラック盤
アルバム『イエロー・サブマリン』は、イギリスにおける通算10枚目の公式アルバムとして、1969年1月17日に発売されました。
このアルバムは、1968年8月から劇場公開されたアニメーション映画『イエロー・サブマリン』のサウンドトラック盤でもあります。
ビートルズはアニメ映画に乗り気ではなかった
それまでビートルズは「ハード・デイズ・ナイト」と「ヘルプ!」、2本の実写映画で主演しており、今回はビートルズとして3本目の映画でした。
アニメ映画の中ではビートルズの4名がそれぞれ実名のキャラクターとして登場しますが、声はプロの声優がそれぞれ演じています。
ビートルズはあくまで楽曲を映画に提供しているだけ。そもそもビートルズはこのアニメ映画に乗り気ではなかったそうです。
プロデューサーであるジョージ・マーティンの証言。
ビートルズは最初からこのアイデア(=アニメ映画のこと)に反対していた。
当時の彼らは、自分たちの発案でないものすべてに疑いの目を向けていた。明らかに、これは自分たちを利用した金儲けだととらえていた。
引用:「 ザ・ビートルズ アルバム・バイブル 」
アニメ映画には消極的だったビートルズですが、完成したフィルムを劇場公開前に鑑賞し、完成度の高さや面白さにようやく気付き、もっと積極的に関与すべきだったと後悔したそうです。
それもあり、映画のラストシーンではビートルズの4人が実写映像で少しだけ登場しています。
収録曲の内訳、レコーディング期間
ビートルズのレコーディング曲は6曲のみ
アルバム『イエロー・サブマリン』の収録曲は全13曲。
アナログレコード盤のB面に収録された7曲はすべて、プロデューサーのジョージ・マーティンが率いたオーケストラによるインストゥルメンタル曲です。
なのでビートルズがレコーディングした収録曲は、アナログA面の6曲のみ。内訳は、ジョンの作品が2曲、ポールの作品が1曲、ジョージの作品が2曲、ジョンとポールの共作が1曲です。
6曲のうち「イエロー・サブマリン」と「愛こそはすべて」の2曲はいずれもアルバム発売前にシングルとして発売されており、別のアルバムにも収録されていた「既存曲」です。
したがって、これまでシングルでもなくアルバム収録曲でもない、今作で初めて世に出た「新曲」は4曲のみ。
4曲中3曲は「ボツ曲」だった
しかし、4曲のうち3曲は、このアルバムに収録されるためにレコーディングしたのではなく、ずっと昔にレコーディングされたもののボツとなった曲です。
「オンリー・ア・ノーザン・ソング」は1967年2月にレコーディングが開始されており、アルバム『サージェント・ペパーズ』のレコーディング時期でした。
また「オール・トゥゲザー・ナウ」と「イッツ・オール・トゥ・マッチ」のレコーディング開始は1967年5月から6月。アルバム『マジカル・ミステリー・ツアー』のレコーディング時期でした。
1967年6月は「愛こそはすべて」もレコーディングされています。
残る1曲「ヘイ・ブルドッグ」がレコーディングされたのは1968年2月11日。これは明確に映画『イエロー・サブマリン』に収録するための曲としてレコーディングしています。
アルバムジャケットについて
アルバム・ジャケットは映画ポスターのデザインがそのまま採用され、映画に登場したビートルズの4人をはじめキャラクターたちがジャケットに登場しています。
イギリスで発売されたアルバムのみ、ジャケット中央に描かれたタイトルの下に小さく「NOTHING IS REAL」というサブタイトルが書かれています。
このフレーズは「ストロベリー・フィールズ・フォーエバー」でジョンが生んだ歌詞の一部です。
チャートの動き・順位変動
アーティスト名/ アルバム名(英語) | 1968年 12月 | 1969年 1月 | 2月 | 3月 | |||||||||||||
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The Beatles / Yellow Submarine | 3 | 4 | 4 | 8 | 9 | ||||||||||||
The Beatles / The Beatles (White Album) | 1 | 1 | 1 | 1 | 1 | 1 | 1 | 2 | 1 | 2 | 6 | 5 | 9 | ||||
The Seekers / The Best Of The Seekers | 2 | 2 | 2 | 2 | 2 | 2 | 2 | 1 | 2 | 1 | 3 | 2 | 5 | 5 | 4 | 1 | |
Diana Ross
& The Supremes / Diana Ross & the Supremes Join the Temptations | 4 | 1 | 1 | 1 | 2 | 2 | 2 | 3 |
1位を獲れなかった唯一のアルバム
『イエロー・サブマリン』がイギリスのアルバムチャートに初登場したのは、1969年2月第2週。初週は3位でした。
最高順位はイギリスで3位、アメリカで2位でした。ビートルズの公式オリジナル・アルバムの中で1位を取れなかった唯一のアルバムです。
チャート1位を獲れなかった要因
映画が劇場公開を開始したのは1968年8月。サウンドトラック盤でもあるアルバムが発売されたのは、劇場公開から4ヶ月後となる1969年1月でした。
映画の公開からアルバム発売まで少し期間が開いてしまったことが、売上に影響を与えたのではないかと考えられています。
もうひとつは、前作『ザ・ビートルズ(ホワイト・アルバム)』の発売が1968年11月末で、『イエロー・サブマリン』のリリースがわずか2ヶ月後。間隔が短すぎました。
さらに言えば、『イエロー・サブマリン』が発売された時期は『ホワイト・アルバム』がまだチャート1位を獲得していました。
『イエロー・サブマリン』の発売と時を同じくして『ホワイト・アルバム』は1位から陥落していますし、相互に悪い影響が出たのかもしれません。