アルバムの基本情報
タイトル (日本語) | ラバー・ソウル |
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タイトル (英語) | Rubber Soul |
発売日 | 【イギリス】1965年12月3日 【日本】1966年3月15日 |
最高順位 | 【イギリス】1位(8週) |
CD
デジタル音源(CD)が初めて発売されたのは1987年。2009年には音質を改善したリマスター盤がリリースされています。
Apple Music
アルバム収録曲
アナログ盤・A面
- ドライヴ・マイ・カー Drive My Car
- ノルウェーの森(ノーウェジアン・ウッド) Norwegian Wood (This Bird Has Flown)
- ユー・ウォント・シー・ミー You Won't See Me
- ひとりぼっちのあいつ Nowhere Man
- 嘘つき女 Think For Yourself
- 愛のことば The Word
- ミッシェル Michelle
アナログ盤・B面
- 消えた恋 What Goes On
- ガール Girl
- 君はいずこへ I'm Looking Through You
- イン・マイ・ライフ In My Life
- ウェイト Wait
- 恋をするなら If I Needed Someone
- 浮気娘 Run For Your Life
アルバムの概要
ラバー・ソウルというタイトルの由来
アルバム『ラバー・ソウル』は、イギリスにおける通算6枚目の公式アルバムとして、1965年12月3日に発売されました。
ビートルズのメンバーは黒人シンガーたちによる「ソウルミュージック」を愛し、多くのソウルミュージックをカバーしたり、影響を受けたオリジナル楽曲も多数作っています。
そのソウルミュージックに対し、白人たちによる「まがいもの」のソウルミュージックを「プラスティック・ソウル」と表現する場合があり、ビートルズのメンバーたち自身も白人による偽物ソウルという評価は念頭にあったそうです。
アルバムジャケットを撮影した際、アクシデントによりゴムのようにゆがみ、ゴム(=ラバー)のようにのびてしまった写真を見て面白がり、「プラスティック・ソウル」とゴム底靴の「ラバー・ソウル」を引っかけて新作アルバムのタイトルにしています。
収録曲の内訳、レコーディング期間
3作目以来となる全曲オリジナル
収録曲は3枚目のアルバム「ハード・デイズ・ナイト」以来となる、全曲がオリジナル曲となりました。カバー曲はひとつもありません。
収録曲の内訳は、ジョンの作品が5曲、ポールの作品が4曲、ジョンとポールの共作が2曲、ジョージの作品が2曲、さらにジョン&ポールに加えてリンゴが共作者として名を連ねた曲が1曲、合計14曲です。
レコーディングは1965年10月12日に開始され、11月11日に完了(レコーディング期間はちょうど1ヶ月)。
この期間でアルバム収録の全14曲だけでなく、シングルとしてリリースした「デイ・トリッパー」「恋を抱きしめよう」の2曲や、ファンクラブ会員向けのレコードも録音しています。
それまでビートルズは1年に2枚のアルバムをリリースするという契約に縛られていましたが、1965年の『ヘルプ!』と『ラバー・ソウル』が最後となりました。
音楽性の進化を見せ始めた記念すべきアルバム
コンサートツアーに忙殺される日々からスタジオでレコーディングすることを重視し始めた時期で、『ラバー・ソウル』に収録されている曲は「ライヴでの再現度」よりも「音楽性の更なる進化」を目指し、独特な曲が幾つも生まれています。
『ラバー・ソウル』はビートルズの音楽性がひとつ上のレベルに到達した、とファンや評論家たちに高く評価されました。この傾向が次作の『リボルバー』、そして『サージェント・ペパーズ』で頂点を迎えることになります。
『ラバー・ソウル』という作品はビートルズのメンバー自身も満足度がとても高かったそうで、ビートルズ解散後のインタビューでもメンバーたちが「ラバー・ソウルの頃は楽しかった」と発言しています。
アルバムジャケットについて
撮影場所はサリー州ウェイブリッジ
アルバムジャケットの写真撮影は、5作連続で写真家のロバート・フリーマンが担当しました。
撮影場所は、イギリス・ロンドンの南西部にあるサリー州ウェイブリッジ(Weybridge)というところ。撮影場所のすぐ近くにはジョン・レノンが当時住んでいた自宅がありました。
ジャケットはアクシデントにより決定した
アルバムジャケットの写真を決める打ち合わせで写真を1枚ずつスライド映写機で映したのですが、映す先がスクリーンではなく、アナログのアルバムサイズに切った厚紙だったそうです。
その厚紙が傾いており、写真がゴム(=ラバー)のようにビヨーンとゆがんで映ってしまいました。
このゆがんだ状態の写真を打ち合わせに同席していたビートルズの面々が「面白い!」と喜び、実際のアルバムジャケットもゆがんだ感じで印刷するよう依頼したということです。
チャートの動き・順位変動
アーティスト名/ アルバム名(英語) | 1965年 12月 | 1966年 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | ||||||||||||||||||||
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The Beatles / Rubber Soul | 2 | 1 | 1 | 1 | 1 | 1 | 1 | 1 | 1 | 2 | 2 | 2 | 2 | 2 | 2 | 2 | 2 | 2 | 2 | 3 | 3 | 5 | 3 | 3 | ||
Original Soundtrack / Sound Of Music | 1 | 1 | 1 | 2 | 2 | 2 | 2 | 2 | 2 | 2 | 2 | 1 | 1 | 1 | 1 | 1 | 1 | 1 | 1 | 1 | 1 | 2 | 2 | 2 | 2 | 2 |
Original Soundtrack / Mary Poppins | 2 | 2 | 3 | 3 | 3 | 3 | 4 | 3 | 3 | 3 | 3 | 3 | 4 | 5 | 3 | 3 | 4 | 5 | 4 | 4 | 4 | 5 | ||||
The Rolling Stones / Aftermath | 3 | 1 | 1 | 1 | 1 | 1 |
モンスターアルバムに阻まれ、8週連続1位で終わる
『ラバー・ソウル』がイギリスのアルバムチャートに初登場したのは1965年12月の第3週。初週は2位でした。
それまでのチャート1位は映画『サウンド・オブ・ミュージック』のサウンドトラック盤。
2週目に1位を獲得した『ラバー・ソウル』はその後、8週連続でチャート1位を守ります。
しかし1966年2月の第3週に『サウンド・オブ・ミュージック』が1位に返り咲き。『ラバー・ソウル』はしばらく2位で追うものの、再び1位を獲ることはありませんでした。
ビートルズ&ストーンズ vs サントラ
ビートルズの代わりに『サウンド・オブ・ミュージック』の1位を阻止したのは、ローリング・ストーンズのイギリスにおける通算4作目のアルバム『 アフターマス 』でした。
『サウンド・オブ・ミュージック』はかなりの長期間にわたって売れ続け、ビートルズとストーンズの連合軍が立ち向かう構図になっていました。
チャート1位を獲って獲られての攻防は、この後もしばらく続くことになります。