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ヘルプ!【アルバム解説】

ビートルズのアルバム一覧

アルバムの基本情報

タイトル
(日本語)
ヘルプ!
タイトル
(英語)
Help!
発売日【イギリス】1965年8月6日
【日本】1965年9月15日
最高順位【イギリス】1位(9週)
【日本】2位

CD

ザ・ビートルズ
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デジタル音源(CD)が初めて発売されたのは1987年。2009年には音質を改善したリマスター盤がリリースされています。

Apple Music

アルバム収録曲

アナログ盤・A面

アナログ盤・B面

アルバムの概要

アルバム『ヘルプ!』は、イギリスにおける通算5枚目の公式アルバムとして、1965年8月6日に発売されました。

ビートルズ2本目の主演映画『ヘルプ!』のサウンドトラック盤でもあり、アナログ盤・A面の7曲は映画の中で使用されました。

【出演】リンゴ・スター, ジョン・レノン, ポール・マッカートニー, ジョージ・ハリスン 【監督】リチャード・レスター
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アナログ盤・B面の7曲は映画では使われていない、アルバムのためにレコーディングされた新曲です。

収録曲の内訳、レコーディング期間

映画タイトルが決まらないままレコーディング開始

収録曲の構成は、オリジナル曲が12曲、カバー曲が2曲の合計14曲。

オリジナル曲の内訳は、ジョンの作品が5曲、ポールの作品が5曲、そしてジョージの作品が初めてアルバム1枚の中に2曲収録されました。

レコーディングが開始されたのは1965年2月15日。この時点で主演映画のタイトルはまだ正式に決定しておらず、「Eight Arms To Hold You」(あなたを抱く8本の腕)という仮タイトルがつけられていました。

メンバーはこの仮タイトルを全然気に入っていなかったそうです。

その後、映画のタイトルが「ヘルプ!」と正式に決定し、これを受けてジョンは曲作りを開始しました。ジョンの曲名が映画タイトルに採用されたのではなく、映画タイトルの決定が先だったようです。

「イエスタデイ」で初めて弦楽四重奏を使用

後にシングルカットもされる映画タイトル曲「ヘルプ!」は1965年4月13日に、ビートルズで最大の知名度を誇る楽曲「イエスタデイ」は1965年6月14日にレコーディングされました。

「イエスタデイ」ではヴァイオリン、チェロ、ヴィオラで構成された弦楽四重奏団を外部から招きました。

ビートルズの4人とプロデューサーのジョージ・マーティン以外の人がレコーディングで演奏に参加したのは、デビューアルバム『プリーズ・プリーズ・ミー』以来となりました。

「イエスタデイ」のレコーディングにジョン、ジョージ、リンゴは参加せず、ポールと弦楽四重奏団のみ参加となりました。

アルバム収録曲のレコーディングは6月17日で完了(約4ヶ月間)。スタッフによる編集作業は6月18日で完了しました。

最初の邦題『4人はアイドル』について

映画の邦題は当初『ヘルプ!四人はアイドル』だった

アルバム『ヘルプ!』はリリース当初、日本でのタイトルが「4人はアイドル」となっていました。これは映画の邦題(=日本語のタイトル)がそう名付けられたからです。

1本目の主演映画『ハード・デイズ・ナイト』も、当初の邦題は『ビートルズがやって来るヤァ!ヤァ!ヤァ!』と付けられました。

2本目の映画は英語タイトルではアルバムと同じく「ヘルプ!(Help!)」ですが、日本語の映画タイトルは「ヘルプ!四人はアイドル」となってしまい、同名のアルバムタイトルも映画タイトルと統一されてしまったのです。

またしても水野晴郎さん

「ヘルプ!四人はアイドル」という邦題を付けたのは『ハード・デイズ・ナイト』の時と同じく、当時ユナイト映画の社員で、後に映画評論家となる水野晴郎さん

ただ、「四人はアイドル」の部分は公募で決まったと水野さんは発言しています。

水野さん本人の言葉を引用します。

やがて次の年の夏。『ビートルズ No.2』がやって来るはずだった。この映画も題名きまらず。ではせめて日本だけでも先にタイトルを作っておいたら…。

高崎さんと高島さんの協力で一般応募で選んだのが「四人はアイドル」というタイトルだった。

引用:『ビートルズってなんだ? 53人の“マイ・ビートルズ”』

「高崎さん」とは、ニッポン放送の元プロデューサーで、「オールナイトニッポン」の初代パーソナリティも務めた高崎一郎さん。

「高島さん」とは、当時東芝のレコード事業部に所属し、ビートルズの売り出しや日本武道館ライヴ招聘に尽力された高嶋弘之さん。バイオリン奏者・高嶋ちさ子の父。

こうしてNo.2の有楽座公開が決定したのである。

題名も原名の「HELP!」をそのまま、英語のまま使ってみようと決心した。映画史上はじめての試みなのだが、ヤング向きで大いに効果があるのではないかという決断であった。

引用:『ビートルズってなんだ? 53人の“マイ・ビートルズ”』

日本語タイトルに原題を使った(というか混ぜた)のは、『ヘルプ!四人はアイドル』が史上初だったそうです。

日本でのタイトルがいつから本来の「ヘルプ!」のみに変えられたのかは分からないのですが、おそらく『ハード・デイズ・ナイト』が2000年に変更されたのと同じタイミングではないかと推測します。

アルバムジャケットについて

ビートルズ ヘルプ!

手旗信号は「HELP」ではない

アルバムジャケットの写真を撮影したのは、4作連続で写真家のロバート・フリーマンが担当しました。

当初はメンバーの4人が手旗信号で「HELP」を表す4文字を表現していましたが、どうやらあまり見た目が良くなかったそうで、ボツとなりました。

見た目重視で手旗信号のポーズを変更し、アルバムジャケットで採用された写真のようなポーズになりました。

これは左から順に「NUJP」の文字を表す格好となっていますが、実際には「KPUN」を表現しており、ジャケットの裏焼き(=本来の写真を裏返しにしている)により「NUJP」となったようです。

チャートの動き・順位変動

アーティスト名/
アルバム名(英語)
1965年
8月
9月10月11月12月
The Beatles /
Help!
11111111122223223344
Original Soundtrack /
Sound Of Music
122222222211111111112
Original Soundtrack /
Mary Poppins
443333333343544332233
The Rolling Stones /
Out Of Our Heads
7434332455477
The Beatles /
Rubber Soul
21

9週連続チャート1位を獲得

『ヘルプ!』がイギリスのアルバムチャートに初登場したのは1965年8月の第2週。

それまでチャート1位に君臨し続けていた映画『サウンド・オブ・ミュージック』のサウンドトラック盤から1位を奪い、初登場1位でのスタートでした。

そのまま9週連続1位となった『ヘルプ!』でしたが、10月第3週には『サウンド・オブ・ミュージック』に再び1位を奪取されてしまいました。

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映画のサウンドトラック盤がチャートを席巻

この時期には映画サウンドトラック盤でもう1つ、『 メリー・ポピンズ 』もチャート上位に長く居続け、12月には『サウンド・オブ・ミュージック』に次ぐ2位を記録。『ヘルプ!』はどんどん順位を落としていきます。

【監督】ロバート・スティーブンソン 【出演】ジュリー・アンドリュース, ディック・ヴァン・ダイク, デイヴィッド・トムリンソン, グリニス・ジョーンズ, エド・ウィン
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また同じ時期にはローリング・ストーンズがイギリス通算3枚目となるアルバム『 アウト・オブ・アワ・ヘッズ 』をリリースしましたが、最高で2位という結果に。ビートルズとストーンズが映画サントラに負けてしまう展開が続きました。

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『サウンド・オブ・ミュージック』の厚き壁を破ったのは、ビートルズ6枚目のアルバム『ラバー・ソウル』でした。12月第4週に1位を獲得しています。

しかしながら『サウンド・オブ・ミュージック』の強さはまだまだ続くことになります。

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